山梨県の石和町に、鵜飼の幽霊の話があります。
昔、耳がよく聞こえない男が、川で魚をとっていました。村の人たちは、男を川に沈めて殺しました。
それから、村では夜になると、男の幽霊が出るようになりました。村の人たちは怖くなって、家の戸を閉めていました。
ある夜、1人のお坊さんが村に来ました。村の人は「川の下のほうにあるお堂に泊まってはだめです」と言いました。
お坊さんは、お堂に泊まりました。夜遅く、男の幽霊が出ました。男は「自分の魂を休ませてください」とお坊さんに言いました。
お坊さんは、川のそばに行って、小さな石にお経を書きました。そして、石を川に投げました。何日も何日も、石にお経を書いて投げました。
それから、村に幽霊は出なくなりました。