昔、ある村に橋がありませんでした。村の人は川を歩いて渡っていました。橋をつくるお金がなくて、困っていました。
村に、けちなばあさんがいました。ばあさんは、いつも「あと1両、あと1両」と言いながら、仕事をしていました。
ばあさんが亡くなりました。ばあさんの家に、おかめの面がありました。夜になると、面が笑いました。村の人は、ばあさんの家に近づかなくなりました。
ある日、村にお坊さんが来ました。お坊さんは、ばあさんの家に泊まりました。夜になっても、おかめの面はなかなか笑いませんでした。そして、面は床に落ちて消えました。
お坊さんが床を開けると、金が入ったつぼが出てきました。49枚の金と「橋をつくる金」と書いた紙が入っていました。
村の人は、ばあさんのお墓に行って、あやまりました。そして、みんなで1両のお金を出して、橋をつくりました。村はにぎやかになりました。